物体の色の見え方 of color

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  • 昼光(太陽光)の下で見ると、それぞれの色が自然に見える。昼光には短波長から長波長にかけての成分が、ほぼ均等に含まれる。
  • 白熱電球では、全体が赤みがかって見える。からにかけての長波長の成分が多いため。
  • 蛍光ランプ(昼光色)では、全体的に少し青みがかって見える。白熱電球と比べると赤みの成分が少ないから。
  • 水銀ランプは、全体的に緑みがかって見える。赤みの成分が極端に少なく、色の見え方にも影響している。

正反射と拡散反射  正透過と拡散透過

反射には正反射鏡面反射)と拡散反射がある。
正反射
→光の入射角と反射角が等しい
拡散反射→光があらゆる方向に散らばる


透過には正透過拡散透過がある。
正透過 →入射した光が直進して物体の反対側に出る(透明ガラス)
拡散透過→入射した光が様々な方向に散らばって出る(曇りガラス)

吸収 屈折 干渉 回折 散乱

光が物体に当たると、波長によって一部が反射、透過し、残りは吸収される。反射、透過した波長の光を物体の色として見ることができる。光がすべて吸収されると、物体は黒く見える。

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違う物質の境界を斜めに通過するときに光は進行方向を変える現象を屈折と呼ぶ。
光は波長によって屈折する角度が異なり、そのため様々な波長の光を含む白色光が入ると、波長に応じて屈折して異なる方向に進む。プリズムによる分光はこれを利用したもの。
空気中の水滴に光が入ると屈折して水滴内で反射し、水滴から出るときに再び屈折する。このときに水滴がプリズムの役割を果たし、スペクトルに分光してが生じる。
主虹→内側が青紫、外側が
副虹→内側が、外側が青紫

屈折率が大きいのは短波長である。


干渉とは、複数の波が重ね合わさったとき、波の山と山(谷と谷)が足し合わされて強くなったり、山と谷が合わさって打ち消し合ったりする現象です。
光の場合、二つの波が強めあうと明るく見え、打ち消しあうと暗くなる。
シャボン玉に太陽光が当たると、一部はシャボン玉の膜の表面で反射し、一部は膜の内側に進み底面で反射して戻ってきます。このときに膜の表面で反射した光と、膜の底面で反射した光が重なり合い、光の干渉が起こります。この干渉により強くなった波長の光の色が表面に現れる。



波が障害物に当たったり、小さな穴を通過したりした後、波がその先に広がって進んでいく現象を回折という。光にも波の性質があるので、同じように回折します。光の場合、回折が現れるのは、障害物やすきまの大きさがその波長と同じ程度の大きさか小さいときで、微小な部分に当たって反射した光も回折を起こして広がる。
コンパクトディスクの表面が虹のように色づいて見えるのは、表面にたくさんあるビットと呼ばれる小さな凸部で反射した光が回折を起こして広がり、その光がお互いに干渉しあって、特定の波長を強めたり弱めたりするためです。



光は大気中のちりや水滴などの細かい粒子(気体分子)に当たると、あらゆる方向に散らばってしまいます。これを散乱という。光は直進する性質があるので、光源を直接見るのでなければ、ちりなどで散乱しないと眼には感じません。太陽が輝いても、宇宙空間が暗闇なのはこのためです。
短波長(青い光)の方が散乱されやすく長波長(赤い光)は散乱されにくいので、青い光に比べて赤い光の方が遠くまで進んでいくことができる。昼間の空が青く見え、夕方になると赤く見えるのもこの光の散乱の影響によるもの。


照明と色の見え方

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照明→光によって物や場所を明るくすること
光源→光を発するもの

照明光
自然光太陽光(昼間の太陽光は昼光


人工光白熱電球、蛍光ランプ、水銀ランプ

トンネルはオレンジ色

高速道路のトンネルを照らすライトがオレンジなのは、主に低圧ナトリウムランプが使われているため。水銀ランプより経済性がよい。低圧ナトリウムランプのオレンジ色の光は、排気ガスやちりなどの影響を受けにくく、散乱しにくいという性質。